天下茶屋日記14
天下茶屋日記12
印刷会社の仕事は給料は良かったのだが、拘束時間が長く彼女との時間
物書きの時間がなく彼女に辞めると告げると、
うれしそうに「そう」と答えた。彼女も仕事しながらご飯やお弁当をつくるのが
大変みたいだった。
僕自身も朝6時に起きて帰ってきたら10時超えている生活に参っていた。
結局3ヶ月ぐらいでやめて、彼女との時間と、本を読んだり、映画を見たりという
生活をすこしの間しようと決めた。
その頃には東京の生活にもなれ、自転車で下北や、渋谷まで行けるぐらいに地理
も把握でき東京は生活しやすい場所だなと感じた。
また自然も都会に多く、等々力渓谷にいったり、九品仏の仏像見に行ったり
町ぶらするのが新鮮だった。
彼女Tは最初東京に、いいイメージはないみたいだったがその頃には
世田谷が好きになっていたようだった。
天下茶屋日記11
印刷会社の業務は単純なものだった。
印刷する際、版画の様に印刷するので版を作るのだが、お客さんからもらったデータをPCから版に焼くと言う作業だった。
単純なのだが一日に膨大な量をこなさなければならず、また機械はアナログなため鉄版
のセッティングを行うのが大変だった。鉄版はかなり重く枚数が50枚単位でしか入らずその都度、入れ替える作業があり、体にきた。
またデータを手動で一回一回版のサイズ、調整、向き等確認しながらなので
ペースをつかむまでは大変だった。
1週間程して仕事もなれてきたのだが、同じ部署の人で、少し変わった言動で、周りの
人からも、あまりあの人に関わらない様に
と暗黙のルール的なものがある事を知る。僕自身はその人にあまり教えてもらわなかっ
たが同じ時期に入った人はその人に教えてもらっている時に辞めてしまった。
一度一緒に仕事になった時ぼくが「はい」という回答をしたとき
「はいじゃない、はいわかりましただろ」ということを言われたことがあって
それ以来、僕から話す事もないし、あまり仕事も被らなくなり安心した。
印刷会社では同年代がおらずあまり話のあう人はいなかった。
彼女のTが作ってくれる弁当が唯一の楽しみだった。