天下茶屋日記19

昼間に起きて、図書館の冷房で涼み
夕方にTを迎えにムサコに向かう日々は日常の幸せを感じさせてくれたが、憲法で決まっている労働の義務を果たさなければならない。

僕は、自由が丘駅近辺のアパレルでバイトを始めた。

その店は、まず、自分でその店の服を買い接近するらしく、お金に余裕のない僕はできるだけ安い服を選んだ。

鏡に映る自分も、どこか安っぽく帰りたくなったが、店長が延々マニュアルを話し始めた。

僕はいつも思うのだが、マニュアルは必要なのかどうか。最低限のルールはよしとして、接客マニュアルなんて、丁寧語と目上に対しての尊敬語だったり、わざわざ教えてもらはなくてもいい。当たり前の人との接し方さえあれば、あとは自由にしたらいいと思う。売り物の予備知識は不可欠だが。

たかが服なんだから…

そう思ってるのを悟られたのか、店長は僕があまりやる気がないと思ったみたいであまりシフトに組まれなかった。

ラッキーと思ってしまうぐらい、どうでもいいバイトだった。