天下茶屋日記⑧

僕は仕事を探し始める。Tはあまりその事

には関心がなかった。僕が何の仕事をし

ようがいくらの給料かとか、は二の次で

一緒にいれる時間ができて嬉しそうだった。

僕は心配性だが、楽観的といった矛盾する性格なので

その状況に焦りつつ、なんとかなるとも感じていた。

そして僕は、なぜか北千住の印刷会社で
働きだすことになる。

天下茶屋日記⑦

そしてTが仕事になれてきて僕も

やっと落ち着いて活動していけると思った矢先、リサーチ会社の仕事が途切れて
しまう。

小さな会社なので、操業する経費も馬鹿にならないので規模を小さくするとのことで、残って活動してもいいが、サラリーは出ないらしい。最初の契約自体も軽い感じで、作家のとっかかりになればと思った仕事なので、しょうがないと思い

また連絡して下さいと話し仕事場を離れた。

天下茶屋日記⑥

僕の彼女Tさんがある日、仕事終わりに下着屋で働くD子さんと飲みに行くから一緒にと誘われる。

僕はTが東京で、友達ができた事にも嬉しかったし、飲みに行くという事もいいなと思って、即答で行くと返した。

D子さんと初めましてして、D子さんの話をきいていたら、Tと合いそうとすぐに感じた。

D子さんは、等々力に彼氏と同棲しており
下着屋で働く傍ら、自宅でネイリストとして活動している、ドラみちゃんにそっくりな女性だった。僕もドラみちゃんに興味が湧き、質問をたくさん投げかけた気がする。

D子さんは幼少期にチュニジアですごしたらしく、漢字が苦手で自分の名前をよく書き間違えると言っていた。そして彼氏とマクドナルドの宅配サービスをしてしまい肥る話、防腐剤入りの食事で身体が腐らない話を酔いながらした。

Tも僕も楽しくなってきてまた行こうと話しお開きした。


天下茶屋日記⑤

彼女Tさんは、僕から仕事してくれないと

生活が回らないと言う話を理解してくれ

仕事を探し始める。

最初、自由が丘の駅前のマダムをターゲットにした靴屋でTは働きだすが、

1週間も立たずにやめてしまう。理由を聞くと、「可愛い靴がない」だった。

そしてすぐに自由が丘の駅前のスーパーで働きだす。そこは2ヶ月ぐらい働き、ダンボールで手を切ったらしくやめてしまう。

そして、次に自由が丘の駅前にある下着屋で働きだす。僕は内心すぐにやめてしまうんだろうと思っていたが、友達が、できたらしく楽しく出勤してる感じだった。

天下茶屋日記④

彼女は年下の気の強いが、打たれ弱く、わがままな優しい女の子であるが、

無鉄砲で向こう見ず、他人の意見をききいれない。意見されると逆効果な天邪鬼なきらいのある節がある。

僕は自分のことで精一杯、彼女のペースに合わせないようにつとめたが

先ほどのべたように、彼女は元来のかまってあげないと死んでしまう、いや回りを巻き込むタイプなので、僕は彼女のペースにまんまとはまってしまう。

それが、僕の優柔不断でほっとけない性分だからしょうがないが、まずは生活をしていかなくてはと思い、彼女に仕事を見つけてもらおうと考えた。

天下茶屋日記③

人の好みや感覚、おもしろい、喜怒哀楽のポイント、欲求、価値基準

娯楽はそこに訴求してお金を得るヤクザな商売と思う。

自分は作家志望で吉本の学校でコントや漫才のネタを毎日

書き続けていたが、お笑いの凝り固まっている淀んだ状態の今が好きではなく

映画やネットに場所を求めていこうと感じていた。

その頃丁度、東京に引っ越して半年がたとうとして

大阪に彼女がいたが、彼女実家を飛び出し僕のもとに来てしまうのだ。

僕は少しうれしい反面、とまどいとこれからのことを考えると

憂鬱になってしまう。東京の気候にもやっとなれてきた矢先だったからだ...

天下茶屋日記②

僕は構成作家になりたい気持ちがあったので、上司がある枠の企画会議に

参加してこいと言う命令がでて、僕は浮き足だっていた。東京に来て最初のチャンス

でもあり枠と言うのが編成いわく、新しい事を挑戦したいという若手にも門戸

が開かれた枠だったからだ。僕は徹夜でいくつかの企画書を書き上げ

お台場に意気揚々に向かった。

はじめての企画会議は、一人ずつ企画書をプレゼンしていくのだが、僕は

自信の企画を、編成のTVマン、ベテラン作家、Dの前で意気揚々と

しゃべり倒した。時間が経つとともに温度差を感じつつも...

プレゼンが終わると質問とうすら笑みを浮かべた脂ぎった大人の冷たい

視線を嫌でも感じた。

『ちょっと意味がわからないな、、、』

そう理解されない企画をわざと持って行ったからだ。それを狙いにいったからねと

完璧に大の大人を置き去りにしてやったと僕は

心の中で自分を肯定するのに必死だった。

もちろん企画は採用されなかった。

彼らに選ぶ権利がある時点で、彼らがおもしろい興味があると思わせなければ

ダメなのだ。まずは目の前の大人を納得させる事が第一。

自分の興味、自己顕示欲は全く意味をなさない。