天下茶屋日記22

彼女は仕事を辞め、僕は家から近くのアパレルショップで働くことにした。

タイミングよく新店をオープンする店舗で僕は応募してみることにした。

面接は簡単に終わり、結果は来週から来てほしいと告げられた。

 

新店の準備をしてほしいとのことだった。

 

そこのオーナーもおおらかというか、適当で初めて出勤してすぐに鍵を渡され指示を受けあと頼むね、、、と別の店にいってしまい僕は一人で新店の準備をはじめた。

 

そこは金持ちのおばさんからブランド品を買い取ったり、金を買い取ったりするお店だったがオーナーは商売気があまりなく自由にやらせてもらえる仕事場だった。

 

金額を決めるのも僕の仕事で、最初はオークファンで調べていたがそのうち自分の

感覚でつけれるぐらいにブランドの知識がついていた。

 

とりあえずエルメスとシャネルの中古市場は活気があるというのはすぐ把握した。

あとはsupremeやその他スト系とロンハーマンやトムブラウン、モンクレール等人気ブランドを買えばすぐはける、、そういったあまり役に立たない知識だ。

 

彼女も何か仕事を探し始めていた、、、

 

 

 

天下茶屋日記21

彼女の体を心配し、病院に連れて行くことにした。

最初Tは嫌がっていたが、しぶしぶ了解してくれた。

結果はストレスによる、扁桃腺の腫れとホルモンバランスが不安定との事で、僕は仕事を辞めたと提案し、当分は家でゆっくりと過ごすことを勧めた。

それからTは仕事をセーブしながら、家でゆっくりと過ごすことになり、僕は仕事場が自由が丘の近くなので迎えに来てくれたり、散歩する機会も増えた。

だいたい迎えに来てくれた時はケーキを買って2人で分けて食べることが多かった。

節約しなければならないし、そう言う日々が幸せだった。

天下茶屋日記20

Tは相変わらずムサコの下着屋で働いていた。

しかし、夏の終わりに近づくにつれて体調がすぐれなくなってしまう。

僕は心配になり、病院に行くようすすめたが、Tは嫌がって行こうとしなかった。

しかしあまりにもしんどそうな彼女を見るのが辛くなり、強引に連れていった。

夏ももう終わりに近づいていた。

天下茶屋日記19

昼間に起きて、図書館の冷房で涼み
夕方にTを迎えにムサコに向かう日々は日常の幸せを感じさせてくれたが、憲法で決まっている労働の義務を果たさなければならない。

僕は、自由が丘駅近辺のアパレルでバイトを始めた。

その店は、まず、自分でその店の服を買い接近するらしく、お金に余裕のない僕はできるだけ安い服を選んだ。

鏡に映る自分も、どこか安っぽく帰りたくなったが、店長が延々マニュアルを話し始めた。

僕はいつも思うのだが、マニュアルは必要なのかどうか。最低限のルールはよしとして、接客マニュアルなんて、丁寧語と目上に対しての尊敬語だったり、わざわざ教えてもらはなくてもいい。当たり前の人との接し方さえあれば、あとは自由にしたらいいと思う。売り物の予備知識は不可欠だが。

たかが服なんだから…

そう思ってるのを悟られたのか、店長は僕があまりやる気がないと思ったみたいであまりシフトに組まれなかった。

ラッキーと思ってしまうぐらい、どうでもいいバイトだった。

天下茶屋日記18

Tは下着屋での仕事量が多い事に文句が多くなり、僕は良く愚痴を聞くことになった。

一度レジの誤差を、働いているバイトが補填するかどうかで揉めたようで、Tはその場ではスタッフみんなが了承したので、払ったようだが、後で仲のいいスタッフと会社の上の人にメールでおかしいと抗議したらしかった。

その一件以来愚痴が増えていった。

僕はTの話しを聞きつつ、自分も仕事探しを始めた。


天下茶屋日記17

ハイサワーは青リンゴがお気に入りだった。

ハイサワーの本社は目黒にあるらしく、
親しみを感じた。あのメロンソーダ色の液体をキンミヤ焼酎で割ると、シティボーイ御用達のハイサワーになる。

又あのロゴのフォントもよかった。

あのビンを求めて僕らは酒屋を見に行ったら、お店には置いておらず、ダース買いなら注文出来るとの事で、僕らはすぐに注文した。

これで暑い夏も乗り切れそうな予感がした。

天下茶屋日記16

武蔵小山で何度も足を運んだ焼き鳥屋があった。「牛太郎」と言うお店だ。

そこは地元の人が昼間から集うような、古くからある下町の焼き鳥屋さんだった。

家族でやっているらしく、焼き場は息子さんが仕切り、父親がサポート的な感じで、母親が裏で雑務をこなしている感じだった。

焼き鳥は何を食べても美味しかったし、モツ煮や、ポテサラも最高だった。

あと東京にきて初めて飲んだハイサワーは夏の暑さに最高に染みた。

自分で割れるスタイルはなんかよかった。彼女もハイサワーはお気に入りだった。

僕らは焼き鳥にハマってしまう。